アメリカの不動産流通業、日本との違いは?

日本の不動産流通の未来

もっと知りたい!不動産流通業界とその未来とは?

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About me元不動産仲介業者の営業マンです。普段の生活では知りえない不動産流通業界について知って欲しいと考えこのサイトを立ち上げました。

アメリカの不動産流通業

アメリカの不動産流通業

アメリカにおける不動産流通業とは

前述の通り、アメリカの不動産取引において買主の手数料はありません。売主が売主側の仲介会社に物件価格の6%に当たる仲介手数料を支払い、それを買主側の仲介会社と折半する仕組みです。買主側の仲介会社をSelling Agent、売主側の仲介会社を、Listing Agentと呼びます。
日本との大きな違いのもう一つが、このSelling AgentとListing Agentを一社の仲介会社が行わないところが大きな違いです。またローンの手続きを進める住宅ローンオフィサー、売買契約の内容を第三者の立場から公正に作成するエスクローオフィサー、物件建物の状況を詳細に調べるホームインスペクターがいることも特徴です。(日本にもこれに近い形態を取っている不動産会社や専門の会社はあります。ただ取り組みは進めていますが、なかなか一般に広がらない状態が続いています。)

ウェブサービスでの全ての物件情報の閲覧が可能

とても合理的な仕組みをもっているアメリカですが、これに加えて、すぐれたウェブサービスの登場により、よりユーザーが不動産を探しやすい状況にもなっています。
有名なサイトでは、Zillow.com、Redfin.com、trulia.comなどです。これらのサイトには、物件について詳細なエージェントからのコメント、類似する不動産の成約物件情報、不動産相場価格の推移、物件の販売価格の推移、住宅ローン、ランニング費用、学校の教育レベル、犯罪率など、日本では、様々な事情で、なんとなく伏せられている情報も含めて、検討に必要な多くの情報が開示されています。これによりユーザーは、ネット上で、不動産に関するポジティブな情報(アピールポイント)はもちろん、販売価格の妥当性、購入した後、『こんなはずじゃなかった』と言わないで済むためのネガティブ情報なども得ることが出来ます。その中でも特に過去の成約情報はとても大切です。
不動産価格は一般的に比較法で決定されます。比較法は価格が知りたい不動産がある場合、その不動産に条件が似た成約済の不動産を見つけ、条件の違いを点数付けし、価格を調整して価格を査定する方法です。条件とは土地・建物の広さ、築年数、日当たり、ガレージの有無、敷地形状や建物の形状、建物の維持状況などです。これは日本であれば、価格査定書を用いて、不動産会社が手入力で作成し、相場感をもって調整することもあります。(相場感とは、査定書の項目だけでは価格調整できない部分について、『流通性比率』を使って価格調整します。)
ところが、アメリカのこれらのサイトでは、サイト上で簡易な比較法によって、検討物件の適正価格がおおよそ分かります。ここが特に日本との違いです。また全米不動産協会(National Association of Realtor/NAR)の会員が使うMLS(Multiple Listing Service)というウェブサイトもあって、ここに全ての不動産情報は集まっており、その中で、より詳細な売買の取引情報を見ることもできます。(一般ユーザーも会員登録すれば、閲覧出来ます。)

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