このサイトについて
元不動産仲介業者の営業マンです。普段の生活では知りえない不動産流通業界について知って欲しいと考えこのサイトを立ち上げました。
買主が物件を購入する前に、不動産会社から説明、交付される重要事項の説明書。この中身は、要は不動産を買った後の『こんなハズじゃなかった。』を防ぐ目的です。土壌汚染の問題、アスベストの問題などその時々世間で話題になったことも随時、説明項目として追加されてきました。売買契約が成立する前に、不動産取引士が、重要事項の説明書を、買主に説明することを法律は、不動産会社に課しています。またその具体的な内容は下記の通りです。
・登記簿に記録された事項
→所有者がだれか、建物や土地の登記された面積、抵当権、差押、買い戻し特約の有無など
・都市計画法、建築基準法等の法令に基づく制限の概要
→主にどんな用途の建物が建築できるか、建物建築の際の制限など
・私道に関する負担に関する事項
→私道の有無、私道の面積、負担金の有無など
・飲用水・電気・ガスの供給施設及び排水施設の整備状況
→引込み管の有無、引込み管の口径、負担金など
・宅地造成又は建物建築の工事完了時における形状、構造等(未完成物件のとき)
→宅地の場合は接する道路の幅員、建物の場合は主要構造部・内装・外装の構造仕上げなど
・当該宅地建物が造成宅地防災区域内か否か
→区域内か、区域外か
・当該宅地建物が土砂災害警戒区域内か否か
→区域内か、区域外か
・石綿(アスベスト)使用調査の内容
→石綿使用調査の記録の有無とその内容
・耐震診断の内容
→耐震診断の有無とその内容
・住宅性能評価を受けた新築住宅である場合(住宅性能評価書の交付の有無)
→登録住宅性能評価機関による住宅性能評価書の交付の有無
・代金及び交換差金以外に授受される金額
→ほとんどの場合は、固定資産税と都市計画税の清算金が売買代金とは別に必要です。
・契約の解除に関する事項
→契約解除の方法やその時期について
・損害賠償額の予定又は違約金に関する事項
→違約金の金額
・手付金等の保全措置の概要(業者自ら売主の場合)
→未完成物件の場合は、手付金等の保全を行いますが、その内容
・支払金又は預かり金の保全措置の概要
→保全を行うかどうか、行う場合はその利用する機関名
・金銭の貸借のあっせん
→利用予定の金融機関名とローンの金額や金利など
・瑕疵担保責任の履行に関する措置の概要
→措置を講ずるかどうかとその概要
・割賦販売に係る事項
→割賦販売を行う場合の内容
・供託所等に関する事項
→不動産業者が営業保証金を収めている場所
・敷地に関する権利の種類及び内容
→敷地の面積や権利の種類など
・共用部分に関する規定の定め
→共用部分の具体的な場所とその持分割合など
・専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約等の定め
→規約の定めの有無、ペットの規約の内容など
・専用使用権に関する規約等の定め
→駐車場やバルコニー、専用庭、ルーフバルコニーの有無とその料金
・所有者が負担すべき費用を特定の者のみ減免する旨の規約等の定め
→規約の有無とその概要
・計画修繕積立金等に関する事項
→規約の定めの有無と修繕積立金の金額など
・通常の管理費用の額
→管理費の額と滞納の有無など
・管理の委託先
→管理の委託形態と委託先やその住所、連絡先など
・建物の維持修繕の実施状況の記録
→共用部分、専有部分について記録の有無とその内容
たくさん項目がありますが、この他にも注意したい内容があります。
例えば、ハザード情報です。ハザード情報は、基本的に国や各自治体がハザードマップなどの名前で公表しています。重要事項説明書の説明義務に入っている土砂災害警戒区域内の他に、浸水想定区域や活断層などは注意が必要です。これらは不動産広告の中にはもちろん、重要事項の説明書にも出てきませんので、自分で調べないと気づきません。 ハザード情報はこちら→地震ハザードカルテ
「地震ハザードカルテ」は地震に関するハザード情報を扱っていますが、他にも大雨による洪水、河川や池の氾濫、道路の冠水や通行止めなどの情報も知っておいた方がよいでしょう。また、その土地の地形について(山地、台地・段丘、低地、水部、人工地形など)も把握しておいて損はありません。そんな時に役に立つのが「ハザードマップポータルサイト」です。 ハザードマップポータルサイトはこちら→ハザードマップポータルサイト